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「素人の乱」×「おやすみアンモナイト」
〜シネヌーヴォX公開記念トークライブ〜
ドカドカうるさい貧乏人ツア〜西へ 

at ブックカフェ ワイルドバンチ

  出演作上映に舞台挨拶、DVD発売イベントとつるべ撃ちの大阪ツアー、一日目は「心霊工場」の最終上映舞台挨拶からだったのですが、さすがにさすがに間に合わず、続いてのこのトークイベントも一部二部とある内、後半にさしかかってからの到着でした。会場のワイルドバンチは古本屋さんの奥にバーカウンターがあり、古書の物色と飲食、歓談がひとつところで行えるという、自分的には大好物な感じのお店でした。近くにこういうとこあったら多分通い倒す。古書だけではなく、映画のポスターやビデオなんかも無造作に置かれていて、サブカル好きな人とか寄ってきそうな雰囲気ですが、そこを狙ったのではなく、巧まずしてそうなった、という佇まいがなんかいい店なんですよ。
トーク用に本棚ズラしてテーブル据えたりというセッティングはしてあったっぽく、店内入ると、すぐ登壇者の後ろ姿でちょっとビビる。

 一部は増田監督と素人の乱の松本哉さん、MCに大塚麻恵という布陣でのトーク。だったんだと思う、頭から。入っていったらいきなりデモの話の真っ最中でした。著作は読んだことあるし、それこそ「アンモナイト」関連でひんぴんと噂は聞いていた松本さんだけど、自分は今回初見。案に相違して一見普通のさわやかなお兄ちゃん然とした風貌と、ポンポン飛び出してくるエピソードのとんでもなさのギャップがすごい。これはドキュメンタリー撮ったり映画のネタにしたくなるわ、と思わせる魅力がありましたね。増田さんが合いの手を入れつつ、デモ関連、警察相手のやり取りなどをひとしきり。面白いんだけど、さすがのしたたかさ、ツワモノぶりがうかがえるし、それでいてほどよく脱力しちゃってるんで、俺なんかは相手させられる警察官も気の毒、とか思っちゃいます。だってやっきになって相手しないとならない立場だと、絶対自分が馬鹿みたいに思えちゃうもん(笑)。大物活動家扱いでマークされてるんだけど、取り調べ期間中に警察にも徐々に実態が知られてきて「お前駅前で鍋やってるらしいな、なんなんだお前は」とか「山の手線20周したらしいな、バカかお前は」などなど突っ込んでる警官のほうがやっぱし気の毒な気もしますよ(笑)。山の手線20周には麻恵ちゃん大喜び。あと仲間と東北までママチャリレースとか、こういうネタみたいな話をノリで実行に移しちゃうという、このお祭り気質と行動力ってーのはやっぱり強いね。最強だと思う。ママチャリレースは大みそかから元旦の時期に敢行したとかで、パンクして老夫婦の家にあがりこみ、おせちまでごちそうになったとか、ネタの尽きない人生でうらやましい。おじいさんフェチの大塚さんが、「東北のおじいちゃん」というワードだけでもう萌えの世界に行ってましたが、それも置き去りになってしまうくらい松本さんの語るエビソードの面白さが飛びぬけてる。
 あと、リサイクルショップ店主としての一面をクローズアップの一幕もあり、イケアの家具を斬る、という素人の乱発刊物でのコラム企画を紹介。
イケアってのはスウェーデンの家具ブランドですが、こじゃれてるけど実用性・耐久性等が置き去り、という視点で、こきおろしっぷりの小気味良さには笑いを誘われるんだけど、聞くほどになるほど納得、で、こういう見識は言うなれば仕事師の証ですな。 増田さんがリサイクルショップの売れ行きを心配して、みんなで商品を買ってやろうと持ちかけたところ、俺はモノを大切にしてくれる人にしか商品売らないんだ、と腹を立てたなんて話からも筋の通ったところがうかがえますね。間近でトーク聞いてるだけだと実にテキトーな力の抜けっぷりなんだけど、それも含めて自分のポリシー、スタイルっちゅーのが揺るぎなくあるんでしょうな。こういうキャラクター、なんかうらやましいね。
翌日上映となる、「素人の乱」のドキュメンタリーの紹介もしつつ、最後にメッセージを求められて、大阪のノリというのは東京下町のノリと似てるし、自分が騒ぎを起こす時の原点は東京下町のノリ、てな感じで大阪へのシンパシーを述べて終了。このツアーに同行した素人の乱のメンバー二人も紹介されてましたが、これがまた前日にノリで参加が決まった、みたいな話でして、いやほんと自由だなこの人たち。

 「おやすみアンモナイト」と増田監督の新作「沈黙の隣人」の予告篇の上映を挟んで第二部開始。今度のMCは月の石所属の近藤義輝さんで、登壇は引き続きの増田監督と、アンモナイト主演の疋田紗也さん。
 近藤さんは「運転がてらに同行しました」等々とやや控えめに自己紹介。疋田嬢に大阪までの道中の話を振るも、「起きたら大阪でした」とのことで彼女寝倒してたらしい。増田さんは、明日初日とあって変な緊張の中でふつふつと燃えるものがある、てなことを言ってたかな。
まずは遠征ということで大阪という土地の話。「大阪は日本のラテン」と近藤さんが切り出すと、疋田さんそれを受けて、しばらく前にイベントで大阪来たけど、迷子になったらおばちゃんが親切に道を教えてくれて、大阪は人気がいい、みたいな話。そこでストレートにうなずかない近藤さん、学生からこっち関西圏に長くいたとかで、だんだん関西弁になってきてる、とか増田さんに突っ込まれる。その増田さんは、別の映画関連で以前大阪を訪れた際は、食い倒れツアーに乱闘事件とお騒がせだったので、今回は身を慎んで仕事するらしい。相変わらず聞き流してるとどこまでネタかわからなくなりそうだ。
 疋田さんはほぼずっと寝ていたみたいだけど、大阪までの道中は大変だったらしく、増田大塚が同乗させてもらった素人の乱の車はすさまじくボロで冷房もない上、渋滞にかかって、心霊工場舞台挨拶一分前に滑り込むというありさまだったらしい。何しろ、海老名で合流した時疋田さん件の車を三度見してしまったとかで、どんだけボロか察せられようというものです。高速走ってるとサイドミラーが風圧で寝ちゃうんだってよ。もうそれは固定しちゃおうよ(笑)。で、疋田さんはマネージャーの運転する高級車で優雅に大阪入りってことらしいです。もちろん増田談です。みなさんもう芸風がわかってきましたよね?ま、ともかくボロ車で泡食って走りながら見る大阪と、高級車(増田談)からスターが見る大阪では同じ景色でも眺めが違うということで、「アンモナイト」の二重の構成は、そういう違う眺めを一つにしたらどうなるかという発想なんだよ、とこれが落としどころでした。思いつくと引っ込みがつかなくてやってみたくなる、ということでそこはママチャリレースを言い出して実行しちゃった松本さんと似たところがあると増田さん本人の談。近藤さんも批評を求められて二重構造に触れる。
 個々の役、キャスティングについての話もひとしきり。疋田さんはこれまで妹役とかやりやすい役を振ってもらったことしかなかったので、脚本読んで自分とはまったく違うキャラクターにかなり戸惑い、考え方など理解するのに苦労したとのこと。増田さん的に、かっこいいかわいい人いい人にやな奴ダサくて野暮くさい奴を演じさせるほうが面白い、という持論らしい。そのまんまじゃなくて敢えて外すという。実体験があとから来るほうがいい、なんてことも言ってまして、疋田さんが映画の後にちょっと大変な状況を経験して、でもこの役を演じたことで強くいられた、てな話をしてましたが、これが順序が逆だと、つまり体験がベースにある演技だとつまらないと。なんで脚本協力の麻恵ちゃんは敢えて主演から外したとか、近藤さんに松田優作スタイル辞めて、敢えて地味で野暮ったくするよう勧めたとかそんなことを。確かに最初に見かけた頃は、一見すごく圭角を感じる風貌だったですよ、近藤さん。でもアドバイスされると、近藤は好奇心旺盛なんで自分探ししちゃうんだよ、と増田氏の弁。ここらでなんか寝てますけど大丈夫ですか、と客席で聞いていた麻恵ちゃんに話を振り、「起きてます」と心外そうな麻恵ちゃん、というヒトコマにはなんかニヤニヤしてしまった。増田さんって何気によく周りを見ていて、発言やそのタイミングにも意味があるんだけど、端で見てると、無茶なパス出しと映ることも多くて、そういうの見極めるのが何気に面白いんだよね。
沈黙の隣人での疋田さんの演技にも触れる。入り込むとカメラの存在も忘れちゃったりするんだそうで台本にないのに素でモノ投げちゃったりとかするんだそう。沈黙の隣人はスカパー版観ましたが、確かになかなか激しい芝居してましたね。お客さんが見てくれることで作品が完成する、という彼女の言は客の立場とすりゃやっぱり嬉しいよね。ま、なかなか芝居根性とこだわりがあるので、増田さんと辻岡さんからは監督になるように勧められた、なんて話もしてました。
あと、避けては通れない映画のタイトルの話。「おやすみアンモナイト」が本当に映画タイトルに使われて疋田さんビックリ、だったらしい。さもありなん。こっから言葉遊びタイムでしたが、単に語感、でいいと思うし、ぶっちゃけ「何コレ」と思わせた時点である意味思うツボなんだろうなと。大塚のブログのタイトル表記がカタカナで、なんて話が出たけど、あれも確かにそういうとこある。
でもって、先ほど司会でストレスたまってるんで、といじられつつ、麻恵ちゃん壇上に。まずは大阪市街カーアクションの件で松本氏に感謝の弁。一円の得にもならないのに、会場に間に合うように送り届けてくれたということで、劇場に来ていたお客さんのためにもこれはホントに感謝。映画については、同じ時間、空間を泣いて過ごすも笑って過ごすも自分のモチベーション次第だと思うので、映画の中の二つの生き方に共感したり、いいなあと感じたり、してもらえたらいいな、とのこと。
時々台詞が飛んじゃう疋田さん、えーっとえっととしばらく視線を宙に彷徨わせたけれど、これから未来に向けてみんなの支えになるような映画になってるんじゃないかと思うので是非見て下さい、と。近藤さんはホントに一言、「いい映画なんで見て下さい」と控え目。アシストに徹してましたね。締めは増田さんがご挨拶。
トーク終了後は物販&サイン会でした。自分は通常営業の時にこの店に来て飲んだりするのもいいなー、とか思いつつ本棚物色したりしてましたけど。松本さんのサインがイラスト入りでサービス度高し。女性陣に負けてなかったですね。

とりあえずこれでツアー一日目終了。映画公開の前夜祭としてはまず文句のないところで、いい感じに翌日への期待感が煽られました。てところで続きます。

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