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劇団フジトータルパッケージ公演
Legend of Kamikaze 徒然なるままに
at TACCS1179 およそ3年半前に上演された舞台の再演。(なんかパンフとかチラシでは2000年春公演ってなってたけど、2001年、もしくは2000年度が正確ですよな。)場所も、かつてと同じ、下落合にある小劇場。前回の上演時は、キラメロの解散直前だったということもあり、(というか、楽日がキラメロ解散ライブとかぶってたんだよな)色々と思い出深い舞台です。 大戦末期、特攻隊基地にて、出撃を待つ二人の飛行兵、秋山と葛西。敵接近の報が入る。水杯を交わしての出陣式、まさに特攻機に乗りこむ、というところで、秋山に会わせてくれと駆け込んでくる一人の女。秋山を止められないとわかると、女はやにわに毒をあおって自害する。後を追うのは柄ではないから、先に行って待っている、と言い残して。女の体をかき抱いて号泣すると、死を覚悟した出撃の敬礼をする秋山…。 と、ここで「はいそこまでー!」の声がかかる。以上の一幕は全部芝居。彼らは「送り屋」と呼ばれる基地内の特殊な部署に所属しており、なだめたりすかしたりおだてたり、時にはこのような寸劇まで行ってのあの手この手で特攻隊員の気分を盛り立て、無事飛び立たせてやるのが役目なのだ。責任者の北村以下、人の好い秋山、エンジニアの葛西、体力馬鹿の吉田、という落ちこぼれの飛行兵三人に加え、男勝りな紅一点の浦野、孤児の風子というメンバー。はみ出し者の寄せ集めということもあってか、送り屋は周囲からは軽く見られている。特攻要員として基地に送られてきたはずが選に漏れた秋山たちは、特攻隊員をかっこいいとうらやましがりつつも、送り屋稼業を続けていた。秋山の故郷では、そんな一連の事情は知らない母と妻が、いつになるかわからない彼の帰りを待っている。 今日も今日とて、新しい趣向の寸劇の練習をする送り屋の面々。今度のは秋山考案の"浦島太郎バージョン"。 選抜試験が行われ、その結果秋山が特攻隊員となることに決まる。悔しがる葛西と吉田。喜ぶ秋山。誰が選ばれるか賭けをしていたという浦野は、あんたらのせいで損したとなじってみせるが、後で北村に誰に賭けていたのかと問われ、「三人ともダメだって賭けちゃった」と答える。 秋山のために特攻用の垂れ幕を用意したりと、相変わらず騒がしい送り屋たち。特攻隊員になって待遇が良くなった秋山も、みんなから色々な物をおねだりされて、それに気前良く応えたりと、憧れの特攻隊員の気分を満喫中。ところへ、出撃せよとの早々の命令が下る。どこか重くなった空気を振り払うように、送り出しの宴会の準備を始める面々。立ち尽くす秋山。 北村は、若い秋山の代わりに自分を出撃させてくれと上官に願い出るも、聞き入れてはもらえない。一人思いに沈む北村は、基地を訪ねてきた少女と出会う。早苗というその娘は、かつて北村たちが送り出した特攻隊員の妹であった。生前の兄の様子を聞く早苗と会話を交わす北村だが、「日本は負けますか?」「兄が言っていました、特攻なんてやっていたら日本は負けるって」という早苗の問いに言葉を失う。 一方、秋山の実家に秋山の書いた手紙が届く。手紙には特攻が決まったことについては触れられておらず、ただ、便りのないのは無事な便りとだけ書いてあった。手紙を見て久しぶりに息子に会いたくなった秋山の母は、嫁の幸恵に基地まで会いに行ってみようもちかけるのだった。話は決まり、喜んで準備を始める二人。 基地では、出撃前の秋山を囲んで送り屋たちの宴席が設けられていた。一人宴席を抜けた浦野は、後を追ってきた葛西に、そして北村に抑えていた気持ちをぶつける。なぜ秋山のような気の弱いお人よしが特攻に行かねばならないのかと。日頃は明るい吉田も酔いに身を任せて荒れている。明るく振舞う秋山を前にしてみんないたたまれないのだ。そしてとうとう秋山自身もみんなを追って外に出てくる。あくまで明るく、「いつもみたいに送って下さいよ」と言う秋山に応え、亀の扮装を持ち出す風子。そして北村に促され、"浦島太郎"の演技が始まる。皆いつも通りに演じようとするも、涙をこらえきれない。全て演じ終え、仲間に送られながら、秋山はゼロ戦に乗って出撃していく。 その後日。基地のそばで、一人石蹴りをして遊ぶ風子に、道を尋ねる者がいた。遠路を旅してきた秋山の母と幸恵の二人連れだ。冬なのに暖かいね、と言う二人に、「こんな日は小春日和って言うんだよ」と説明する風子。難しい言葉を知ってるわねと感心される風子だが、誰に教えてもらったのと聞かれて押し黙る。風子に小春日和のことを教えてくれたのは秋山だったのだ。道を教えてもらった秋山家の二人は礼を述べて基地へと向かい、風子はその場で石蹴りを続ける。かつて秋山がくれたコンペイトウを舐めながら。 以前見てストーリー知ってたにもかかわらず、ラスト辺りは目頭が熱くなりました。別段、自分が特に涙もろいわけではなく、会場のあちこちからすすり泣きが聞こえていました。伏線の使い方が上手くて、最後の畳みかけにはやられちゃう人のが多いんじゃないかと。まあ、泣ける=良作というのは短絡な考えで、等号成立しない場合も実は少なくないわけですが、これに関して言えば、人間ドラマを軸に、戦争という大状況の不条理さを押しつけがましくなく感じさせてくれ、一本のお話としてよくまとまってると思います。コメディパートの内にもラストへの伏線があって、コメディとシリアスの噛み合いの良さも○。 総括すると、良かった、面白かったということになるのですが、定期公演や巡回公演とは一味違った劇フジを観ることができたというのも、評価ポイント。このトータルパッケージ公演という形態では、是非色々と試行して、新しいことをやっていってもらいたいですね。 |
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