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「あヽひめゆりの塔」
夏休み児童青少年演劇フェスティバル

at 東京都児童会館

 「あヽひめゆりの塔」。以前、麻恵ちゃんが初主演した舞台です。
夏休み演劇フェスティバルというのは、児演協が毎年この時期に開催しているらしく、劇団ごと日替わりで児童青少年に向けた舞台を上演するというもの。今度の「ひめゆり」もそういう対象年齢に配慮してか、登場人物も絞って、シェイプされた内容になっているとのことでした。
麻恵ちゃんは今回再びヒロインの"与那嶺和子"役。配役が決まるまでもかなり頑張ったようですが、その後も公式HPなどで折りにふれ、この舞台への思い入れを語っていたのでこちらとしてもかなり期待してました。
催しの趣旨通り、というか会場内には小学生くらいの子供の姿が結構多い。過半とまでは行きませんが。

 お話はいわゆるひめゆり部隊に関してのもので、大抵の人があらましご存知だと思うので逐一語ることはしません。ちょっと検索してみましたが、元の脚本が石森史郎氏ってことで、吉永小百合出演の映画と同じなんですね。映画で唯一観たことあるのがこれだ。つっても観たのはかなり以前のことで記憶はおぼろげなので、今度見返してみますか。
 と、舞台そのものについて。上演時間も少し短縮されているとあって、物語は早いテンポで進行。本土決戦が始まる前は、戦時下ながらほのぼのした雰囲気もあり、客席から笑いが漏れるようなセリフもちょこちょこ散りばめられてますが、中盤以降は悲愴なシチュエーションの連続。麻恵ちゃん演ずる和子も、セーラー服のいかにも女学生然とした姿から、もんぺにヘルメットの軍装に装いを替え、薬品もろくにないような状況下で、なお懸命に救護活動を続けていきます。それでもシーンが変わるごとに、次々に友人知人を失っていくわけで、これはやっぱり重い。合間合間にナレーションとスライドで当時の戦況やら解説が入るのですが、この部分は子供には分からなかったでしょう。「人的資源が云々…」なんてのはもう語彙の時点でアウト。と言って、それでは子供にはちんぷんかんぷんだったのかというとそんなことはなく、詳しい状況はわからなくても、「戦争をやっているのだ、そしてそれは良くないことなのだ」というキモはしっかり伝わっていたんではなかろうかと思います。それが出来るくらいの空気は作り出せていたかなと。ちょっと観劇していた子供たちに感想聞いてみたかったですね。
 ラスト、敢えて制服に着替え、思い出の歌を歌いながら果てて行こうとするあたりはさすがにグッと来ましたが、何より終演して幕が降りる時、麻恵ちゃんが涙を浮かべていたのが印象的でした。他の役者さんもですが、かなり入りこんで演じてたように感じました。

 何か意外な仕掛けがあったりというわけでもなく、有名なエピソードを手堅くまとめたという舞台でしたが、戦争当時を知る人も年々少なくなってきて、直接体験談を聞くといったことは今後難しくなっていく一方ですから、こうした題材の演劇というのは意義が増していくのだろうななんてことを思ったりしました。ありきたりな感想ですが。
 ロング、というか本来のバージョンもいずれまた観る機会があれば嬉しいなあと思います。

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