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Another Life vol.1 〜真夜中の秘密基地〜

at 渋谷7th floor

 以前、麻恵ちゃんの誕生日イベントで、目標の一つとして挙げていたひとり芝居が、いよいよ開催の運びとなりましたんで、行ってまいりました。
関係者も多かったとはいえ、かなりの数のお客さんが集まり、7thfloorってあまり広くないので中は人でギッシリ。行き来がエレベーター一台のみで、1度に数人しか乗れないので、入退場は結構手間でした。人が集まったゆえの問題ですが。
立ち見は基本的にはナシということで(実際にはいくらかいましたが)会場内には椅子がきっしり。後方にバーカウンターがあり、そこで観劇してた人もいました。紗良ちゃんが生ピアノ演奏で伴奏を勤めるということで、ステージにはピアノが。
開演すると、客席後方より紗良ちゃん、続いて麻恵ちゃんが登場。キャンドルを手に客席の間を歩いていくのが、秘密の会合めいた妖しい雰囲気。紗良ちゃんは黒い衣装。アップに結い上げた髪形が上品で大人な感じ。相変わらずミニスカです。麻恵ちゃんは黒いフードにフールの面で顔を覆って、トワイラトゾーンライクな口上を述べる。Another Lifeへの案内人といったところですかね。それから面を外しておもむろに本編に入ります。
出だしからピアノ演奏、それに合わせての歌、ダンスもありちょっとミュージカルっぽい趣きも。

ストーリーを以下に。


 所はフランス。ショーガールとして働くマリーは、絵の道を志しており、コンクールに入賞してパリに出て行くのが当面の目標。
ある日偶然、店の地下に部屋があるのを見つけたマリー。画材と、何者か知れないガイコツのある奇妙な部屋。更に現れた人影に、マリーは幽霊ではないかと驚くが、それは美術学生のオスカーだった。画材は彼のもの、ガイコツはオブジェだったというわけだ。店の人間も知らないこの部屋はオスカーの秘密基地で、こっそり忍びこんできてはここで絵を描いているのだという。コンクールに向けた作品を描くために、自分にも部屋を使わせて欲しいと頼むマリー。かくて二人はこの基地を共有することになる。

夜毎、二人で絵を描いて過ごす内、マリーはオスカーに心を許していき、彼に今の生活のこと、戦時中に亡くなった父のこと、そして絵への想いなどを語る。だが、とうとう完成した出展用の作品は、「媚びている」「無理している」とオスカーに厳しく評され、励まし、賞揚を期待していたマリーはショックを受けて足音荒く秘密基地を後にしてしまうのだった。

 オスカーに認めてもらえなかったことへの苛立ちも手伝い、自分の絵を推薦してくれるという大家の先生の誘いに乗るマリーだが、一夜を共にするよう要求され秘密基地へ逃げ帰る。ケンカ別れしたきりのオスカーの姿はない。マリーはガイコツに向かって事の顛末を語る。何より悔しかったのは大家に絵を貶されたこと、そしてそれを認めざるを得なかったこと。オスカーの批評の正しさはマリーにもわかっていたのだ。自らパレットナイフを手にして、絵をズタズタに引き裂く彼女だが、ここで不思議な経験をすることになる。

突如地上で響く銃声、爆音。そして部屋の中にはオスカーの姿が。思わず声をかけるマリーだが、なぜかオスカーは彼女のことを知らないという。とにかく、上では大変なことが起きているのは間違いない。オスカーに一緒に逃げるよう促すも、彼は首を縦に振らず、あくまで地下室で絵を描き続けようとするのだった。爆音はますますひどくなっていき、そして…。

マリーはまた一人で部屋の中にいた。オスカーは最初に感じた通り、本当は幽霊だったのだ。ガイコツは彼のもの。戦火の中でついに筆を執ることができなくなってしまったオスカーのことを思い、マリーは涙する。そして、彼の才能を世の人に示そうと、残した絵をコンクールに出すことにするのだった。

後日、店の客を前にして、パリへ行って絵をやることを告げるマリー。彼女自身の作品はコンクールに入選できなかったが、匿名で出したオスカーの絵は世間の話題をさらっていた。最後にもう1度秘密基地へ入ったマリーは、今や姿を現すことのないオスカーにそのことを報告し、更に言葉を続ける。オスカーの素性を調べて明らかになった事実。オスカーのガイコツに向かって、彼女はこう呼びかけるのだ。「パパ…」と。そして彼女は新しい生活へと旅立っていく。


チラシには監修で劇団フジの団長さんの名前がありましたが、基本的に麻恵ちゃん自身が脚本を書き、劇中の歌の作詞も全て手がけたということで、こりゃ頑張りましたね。
ラストの実は…という部分も含め、展開は予測できた人が多いんじゃないかと思いますが、本筋に沿ってギミックを配してあったので、先の予測がついたら効果なし、とか言うことにはならなかったですね。お話がブレることもなく、必要十分な程度にわかりやすかったと思います。演者が一人ではなかなか横道に反れようがないということもありますが。(笑)
紗良ちゃんの演奏とのコラボレーションという形をとったのは、良い目に出ました。予告通り、1時間半くらいは上演してたのですが、この長丁場を一人で演じる上で、歌うシーンは良いアクセントになってましたし、場面ごとの感情表現に関しても、ピアノに力を添えてもらったというところはおおいにあると思います。一方の紗良ちゃんのほうも、終演後に挨拶をしたのですが、脚本にインスパイアされたからこそ曲が生まれた、てな内容のことを言ってまして、二人とも良い勉強になったとのこと。
ステージ部分は広くなく、ピアノもあるので使えるスペースはかなり限られてましたが、その分、客席を使ったりなんていうところも工夫が見えました。オスカーを探すシーンなんかはお客さんと絡んでみたり、観客をショーを見に来てる客に見たててのシーンがちょいちょいあって、演者のみでなく、こちらも参加してるという形を作ってくれようってことだったのでしょう。芸を披露する、というコーナーはなかなか志願者がおらず、でしたが。あれなあ、様子見してたら最初にツワモノが来てしまった(笑)、というのはありますが、次もこういう機会があるならもっちょいみんな参加したいもんですね。ま、滑ったらキツイってのはあるのですが、そういう時はみんな生暖かく見守るってことで(笑)…折角の趣向なので乗りたいですよね。参加者は(全部で3人、2人目が向こうからの指名であと2人は志願)自筆の絵とキスマーク入りの色紙がプレゼント、でした。

今回初めてということもあり、送り手受け手どちらも勝手のわからないところもあったというのが実際のところでしょうが、そこらはこなれて来ると良くなるでしょう。お話が割りと琴線に触れる系統のものだったといいうこともあり、個人的にはかなり良い感じでした。これなら無事シリーズ化かな、という感触。今後も定期的に開催されるようだと嬉しいんですが。

しかし、オスカーとマリーっつー名前はなあ(笑)。受け付けをヒナが手伝ってたので、ひとり芝居にも関わらず飛び入り参加するんじゃないかとちょっとハラハラしたですよ。

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